2011年6月13日月曜日

犬との会話

                                                      うちの犬は最近、耳が遠くなってきたようだ。
年齢的には仕方ないのかもしれないが
うちに来た時には、既に渋い大人だったのを
何年経っても年齢に足し算することなく、渋いままにしていた。

耳が遠くなったのは恐らく間違いはないと思うのだけれど
その度合いが定まらない。
好意的に考えると、音の周波数とかの違いで
聞こえたり聞こえなかったりがあるようだが
本当にかなりの好意的な意見であって
殆どの場合、犬の気持ちひとつのさじ加減ではないだろうか。
さじも基本私用の1つなような気がする。

百歩譲って、本当に聞こえないとしても
テレパシーとかの何らかの力で
通じても良さそうだと思うのだが
一切通じなくても、犬は寂しくないのだろうか?
私は寂しい。

それでも時々は何も言わなくても、何でも理解している動きをみせる。

結局のところ、対私に関しては、犬のさじ加減なのだろう。
1本の私用のさじ。
小さな小さな、耳かきみたいな私用のさじ。
                                                            

2011年6月9日木曜日

看護の不思議体験

                                                     犬や猫が病気などになった時
私は横にもならずに世話をすることが常で
勉強で徹夜どころか、僅かな睡眠不足も一切考えられなかったほどの私が
よくもまぁ、連日睡眠らしきものさえとらずにいるものだと
昔から、よく家族を驚かせていた。
それは自分でも不思議で
本当に寝ずにいても、心配と何とかしてあげたい気持ちとで
いつも睡魔にも襲われず、倒れることもなく乗り越えられるのだ。

高齢で腎不全になった猫の看病をしていた時もそうで
それこそトイレと猛ダッシュのお風呂の時に家族にお願いするだけで
あとはつきっきりの状態だった。
しかも眠っている猫の顔を覗き込む位の至近距離にいつもいて
私のまばたきによる風があれば、あたるくらいだったと思う。
もっとも、事実は鼻息かもしれないが・・・。

腎不全の為に、必要な点滴を連日行っていたものの
血管を確保している針が数日で使えなくなり
手、足の血管のローテーションになっていた。
でも、その猫は交通事故で片足を付け根から無くしていて
一巡するのが普通より早い。
いよいよ、使える血管が無くなった。

それまでも点滴を2度ほど、1日お休みする時もあったのだが
てきめんに腎臓の数値が悪化していたので
3、4日のお休みには、正直絶望しかなかった。

最初の朝、「 今日は病院には行かない 」 と宣言し
部屋の空気を入れ替えて、アロマを使ったり、
音楽を聴いたり、日向ぼっこをしながら一緒にウトウトしたりで
不安はあるものの、絶望的な気分が消えてくるくらいに
不本意ではあったもののリフレッシュしていて
すると、なんだか猫の方もいい感じに思えたのだ。

そうして、4日経ったが
食事もできなかった猫が少し食べることができるようにもなっていたので
私は1週間おくことにした。
毎日病院へと出かける時、猫はイヤだとはっきり言っていた。
もうイヤだという鳴き方で訴えていた。
だから余計にもう少しお休みさせてあげたかった。

そして、1週間。
猫は数値も正常に近い位に良くなっていた。
検査したのは元気になった裏付けが欲しかったからで
それは誰の目にも明らかな位だった。
一緒に働いたことのある先生なので言われたが
先生も正直、ダメだと思ったそうだ。

それからネコちゃんは21歳まで元気に暮らした。

( 猫は事故の時に病院に運ばれ2度の手術の後、
足を失うことになるのだが、リハビリの段階からうちの猫となり
名前の無かった猫を入院中にネコちゃんと呼んでいたので、
それがそのまま名前になった。 )

腎不全で非常に数値の高かったネコちゃんが
一時だけでなく、その後も良い状態のまま長生きできたのは
本当に珍しいことだと思う。

それが私には不思議でもあり、何の不思議もないことでもある。

連日連夜、疲れ切った私の顔が
目覚める度に超ドアップで見えていたなら
きっとネコちゃんも、自分のせいで私が辛い思いをしていると
苦しんでいたのではないだろうか。
私が鬼のような形相でいることが悲しかったのではないだろうか。

このことが、それからの私を変えたと思う。
今も相変わらず、いざという時は寝ないで看病するのだが
自分自身を追い詰めてしまうことがないよう
どこかで、必ず気分を変える努力をしている。
神経をすり減らさないこと、心を頑なにしないこと。
努力しないと心配と不安が勝ってしまうのだから仕方がない。

それが、逆にあのコたちに心配や不安を与えないことにつながる。
大切なことだ。
何より大切なことだから、自分に言い聞かせている。
                                                                                                                         

2011年6月7日火曜日

ハハハ、怒られてやんの。

                                                      うちの犬、とうとうやらかしてくれました。

実は、家の中での奇異な行動は
殆どは私しか知らないうちに行われ、知らないうちに終了するので、
私が言うおかしな犬というレッテルは
家族にとっては、レッテルを貼ってる私の感覚が込みになっていてこそ
おかしなと表現されると思っている節が
無きにしも有らずなのでした。

しかし、おかしなをとうとう証明致したのです。
正座まではいきませんでしたが
もう寝ようかとする直前
寝ころがってはいるものの
例の部屋のやや端っこで
首だけを伸ばし
何かを考えるかのような例のポーズを
しばらく続けておりました。

そこを私は発見し、ただちに家族に報告した上で
前は正座だったこと、もっともっと壁に近い位置にいることなどを
ちくりながら、指さしまでして見るように促しました。

突然、後ろから肩を叩かれ、「 何やってんの!? 」
と家族から言われた時の犬の反応は
いたずらを咎められた時と同じでしたが
その後また、しらっと続行することがなかったのは
いたずらと違うところで( いたずらならしらっと続行するのです )
やっぱり、犬にとってもいたずらとは質の違う何かなのだという
ことも判明しました。

「 いっつも、もっと時間も長いし気持ち悪い。 」 
とまで私が言ったのを犬は聞き逃すはずはありませんでしたが
その後も家族の前では、ずっと私のどこかしかに引っ付いていて
「 仲いいね 」 って言われる微妙な関係を保っています。

次に何をしてくるか
おかしな犬の行動は飽きることがありません。
                                                             

2011年6月5日日曜日

高齢犬などのケア美容

                                                      高齢に限らず、障害のあるコや心臓病のコなどもそうですが
一般のトリミングの目的とは若干異なった目的、
例えば、排尿や排便が上手くいかないとか
どちらか一方が擦れて赤くなるや
口元、目元をきれいに保つのが難しいなど
そのコの生活の状態に応じて
もっとキレイを保ちやすい状態にする為の美容を
うちではケア美容として行っています。

長く同じ体制がしんどくてとれないコや
刺激が咳を誘発してしまい、発作的なものの心配なコなど
犬の世界にも高齢化が進むと考えていた6年くらい前から
取り組んでいます。

1番大切なのは、状態が悪くならないことは勿論ですが
できるだけキレイに、でも出来る限りのスピードで・・・。
その為には複数のスタッフでさせて頂くことと
お預かりからお返しまでの時間を如何に短くで済むようにするかの
スケジュール調整をきっちりすることと考えています。

常に緊張はありますが、気持ちよさそうなすっきりした様子を見ると
幸せを感じます。

介護用品の無かった時代が長く続き、
その時には人の物や何かの材料を工夫して使ったり、
作ってしまったものもありますが
ここ何年かで少しずつ世の中も変わり、高齢犬グッズもできてきました。
それをもう一つ手を加え、より優しいものにして使っています。

その優しさは、そのコに応じて必要なもの
必要なこと
必要な部分が微妙に違うのと、
同じコでも時に応じて変化するので
やはり手作りでしか難しいように思うのです。

微妙な優しさは物だけでなく、
トリミングなどのお預かりの時にも必要です。
その微妙な優しさを理解できるのは
やっぱり家族が1番ですが
今に至る状況の変化をよく把握できていることで随分違ってくると考えています。
トリミングにかかる時間もそうですし
どこをどうすればいいのかもわかりやすいということも
言えるのではないかと思います。

シャンプーは今はしない方がいいけれど
この部分は短くしておきましょうとか
今日のところはお尻まわりだけのシャンプーとカットとか
汚れやすい部分のカットだけとか
そんな風なことがケア美容として必要と考えているのです。

一番はより快適に過ごしてくれて
より長く一緒に暮らせることですから、
その為のお手伝いができることは嬉しいです。
                                                                                                                                 

2011年6月2日木曜日

脱臼の固定の期間。

                                                      小型犬で膝の関節が外れるコはとても多く感じます。
外れても自分で戻すコもいますし、
外れたり、元に戻ったりに痛みがないと
歩いていてもしょっちゅう、繰り返しています。
私が動物病院にいた時代からこのケースで来院されるコは多かったです。

大型犬には股関節形成不全が遺伝的な問題として
よく聞かれると思いますが
小型犬でも怪我で脱臼するコが多いと聞きました。
昔は事故以外であまり来院されることが無かったのですが
フローリングやソファーなど生活環境の変化もあるのかもしれません。
強い衝撃で外れたのか、
関節のお皿の方の骨が浅い、元々外れやすい骨格かは
レントゲン写真で診て頂いたら判断されると思うのですが・・・。

言いたいことは・・・
手術や手術でなくてもしばらく固定が必要になる場合
特に曲げたまま固定されている場合
元々外れやすい骨格でも何でもないのに
何故か固定が長すぎる為に、曲がったまま元に戻らなくなってしまったコを
見かけることがあるということです。
人間なら、固定は不自由で、固定がとれて今度伸ばすのが痛くても
元のように戻す為に、リハビリを頑張ると思いますが
ワンちゃんは固定に順応するのが早くて、とても器用に
とても健気に頑張ってくれます。
固定が取れても、今度は伸ばすことの方が痛かったり、
不自由も無いのだから、無理する必要もないので
それで曲げたままになってしまうコがいるのです。
ひどいのは固定期間が長過ぎることで、曲げたまま固まってしまうことで
あまりにも悲しすぎます。

曲げたままに、曲がったままになったコもいましたし、
再手術が必要になったコもいたんです。

そして、今度も本当に大変なことがありました。
股関節が外れたまま固定されてしまっていたんです。
固定期間もびっくりの長さ。
でもお家の人が、心配の中いろいろと聞かれたことで
結局は別の病院に連れて行かれたので
今はもう安心できます。
本当に良かったです。

この日は他にも具合の悪いコがいて
そのコも変に心配なお話になっていたんですが
とにかく本当に信頼できる先生かどうかが大切ですね。

もしまだそんな先生に出会えていなければ
今度の方々のように
大切なコを守るのは自分たち家族という気持ちと
それにつながるセカンドオピニオンを躊躇わない
そんな愛情の強さではないでしょうか?

ね? ぷーちゃん、モコちゃん。 
                                                                                                                                                                                                                                                        

2011年6月1日水曜日

もこちゃん、これ携帯電話。

                                                      昨日の出来事。

もこちゃんはプードルの女のコ。

帰りの車の中、助手席でウトウト睡魔と闘い中。

もうすぐほっぺがクッションに引っ付きそう。

「 もしもし・・・・・・・ 」 とマイクで通話の私。

「 では、よろしくお願い致します。 失礼致します。 」

んっ?

完全に私に向かって正座で、私を見ている。

その目がびっくりまなこのまばたきなし。

もこちゃんは、自分しかいない車内で

私が前を向いたまま、結構しっかり口調で

自分にではなく、一人で話している私が不思議を通り越して

心配も通り越して

固まってしまった・・・。

長いこと、いろいろ見てきたつもりだけど

もこちゃんとも長いおつきあいで

でも、ここまで犬が驚いた目のまま固まったのを見たことがない。

思わず、「 私、大丈夫よ。おかしくないよ。 」 って何回も言ったけど

日頃から、な~んかあやしいって思われていたらと考えると

ほんと、私の悪夢にうなされていなかったらいいんだけど。

もこちゃん、ほんと大丈夫だからね。

私、そこそこでキープしてるから ねっ 。