2011年7月31日日曜日

日々の暮らしの中で


私は仕事の帰りに、寄り道をして帰ることが多いです。
家や店で必要な買い物の場合だってあるにはあるのですし、
未来の私を探したり、日々学ぶことが大切と本屋さんに行ったりは
それは重要且つ大切なことですし、
只々、趣味や嗜好はその後に続くだけのことです。

春と秋なら、同じく出勤している犬は車で待ってもらっています。
私としては到着まで助手席で爆睡していたように、
そのまま眠っていて欲しいのですが、
でも、何故かしばらくすると目覚めるらしく
めちゃくちゃお行儀よく背筋を伸ばし首まで伸ばし、
あるはずもない緊張感を醸し出しながら
脇目も振らず前方を見つめて待っています。
仮免で路上にでも出たつもりかとツッコミを入れてしまうほどです。

最初の頃はもっと中途半端な姿勢でキョロキョロしていたので
通行の人に気付かれては窓をノックなどされて
嬉しいくせに、芸能人気取りで無視を決め込んでいたので
愛想のないコですみませんと謝ることも度々でした。

最近は前に書いた状態で前方を凝視しているのですが
私は一向に慣れることが無く、毎回一瞬ギョッとしてしまいます。
私でさえこんなですから、大抵の人は最初は気付かずにいて、
二度見で 「 ナニ~ッこの犬~ッ 人間みたい~ッ 」と驚かれています。
また、やってるよと笑ってしまうのですが
こんな些細なことで、何だか心が和みます。

今の季節はもう、車で待たせる訳にはいかないので、
一旦家に連れて帰ってから再び出掛けます。
帰ったらいつも何故かとてもハイテンションで
家の中の確認作業らしきことをそれなりに
ウロウロやってくれているので
私はその間に気付かれずに出掛けてしまいます。
用を済ませて戻った時に、車の音を聞きつけて
その時点から喜んでくれていた Moon の声がないのは
今も悲しくなりますが
お耳が遠くなりつつで車の音はわからない犬も
ドアを閉める音を聞きつけると
おいてけぼりにしたことを怒りもしないで
長く離れていた恋人を出迎えるみたいに喜んでくれます。

この瞬間に感じる幸せが、この先ずっと宝物になることを
わたしは既に知っているので、
Moon たちと一緒の暖かく明るい優しく柔らかい心の場所に
そっとしまい込んでいます。


2011年7月29日金曜日

飲酒検問


7時半頃、飲酒検問で停められた。
直接、右折できない道だったので
一旦左折して迂回し、直進して目指す道へと合流するつもりで
一旦左折したら検問があり、迂回して直進し
合流する手前でもう1度検問で停められた。
私が一晩で2回、検問で停められたのは初めてではない。

1度目は寝ていた犬も2度目はすっかり起きてしまって
助手席で興味津々、ゲームが始まるかのように
下ろした窓に差し込まれた物を見つめている。


私がこの飲酒検問なるものを生まれて初めて経験した時
飲酒もしていなかったし、
後ろめたいことは何も無かったけれど
とても舞い上がってしまった。

第一、物々しく感じて何か事件でもあったのかと思ったし
自然、緊張感が出て来てしまう。
そんなだから、おまわりさんが
「 ハァーと息を出して… 」と言われたのを
「 ハァ~ 」 と声を出してしまい、
すっかりマイクを差し出された民謡歌手みたいに
なってしまって、それ以降、検問は苦手。

というか、検問で息だけハァーと出すのが苦手です。


2011年7月28日木曜日

ミヤちゃん


昔、ミヤちゃんというポメラニアンがいた。

ミヤちゃんは4ヶ月位の時に
ポメラニアンらしくないという理由で
宅配便でペットショップに返されたコだ。

何がポメラニアンらしくないと言われたのかと言うと
先住のコが大人しいのに比べ、
椅子の上にも上がるような
ピョンピョンした動きをするということが1つ。
もう1つはポメラニアンのようなフサフサした毛がないということ。
返された理由はこの2点で
それでもってポメラニアンらしくないと判断されたのだ。

仔犬特有の活発さが落ち着きに変わり始めた頃には
仔犬から成犬への換毛も終わり、
季節が変わると
他のコと比べても、見劣りしないどころか
多くの人にミヤちゃんのような綺麗なコが欲しいと
言われるまでになった。

宅配便というのが不憫で仕方なく、
いつか大きくなったミヤちゃんの写真を
送りつけてやろうと思ったものだが
結局はそんなことはもうどうでも良くなっていたし、
忘れた。

ミヤちゃんは仔犬の時から
綺麗なコになることはわかっていたけど、
それに加えて
うちのコの中ではダントツの頭の良さで
そして誰からも愛される素直な性格で
ユーモアもあって
だからもう何ていうのか
そんなひどい話は過去からも消していて
神様から届いたミヤちゃんだった。

人と犬が出会うきっかけは
本当に様々だけれど
その出会いも含めて素敵なお話で
人生に幸せ色を差すように
フワッと天から舞い降りて来たみたいだと
後からつくずく思うんですよね。


2011年7月27日水曜日

えっ! どういうこと?


今日は朝からずっと車に乗っていた。

途中で見かけたあのお店、
そしてそのお店の看板にはこう書かれていた。

「 セルフ脱毛 」

こんな話題で申し訳ない。

2011年7月26日火曜日

全速力で走る


子供の時は家に帰る時にだって走ったものだ。
あの道のあの角までとか、
あの電柱までだとか
適当な目標を決めたりしてよく走っていた。
それも全速力で。
みんなでよく走った。
友達みんなで、とにかく全速力でよく走っていた。

子供って、何であんなに走るんだろう…。
何でそれだけで楽しいんだろう…。

大人になると、意味無く走らないし、
意味無く全速力なんてあり得ない。

本当に急ぎの用があったり、
あるミスに気付いて慌てたりして
走った方が良い場面に出くわすことはあるけれど
走りのフォームを気にするのか
走っている時の顔を気にするのか
こけることを恐れるのか
こんなこと全部で全速力では走らない。
私はそう。

でも誰もいないからやってみた。
全速力だぁと思いながら走ってみた。

全速力で走ろうとしている自分がおかしかった。
ないわぁと思いながら、とても愉快な気分だった。

でも走り自体は全然違った。
本気のはずが、全速力は出なかった。

今度こそ全速力だぁとトライするも
どうしても全速力が出なかった。

早々に疲れたわけではないんだけれど
何故だか全速力が出せないし、わけがわからなかった。

これが最早私の全速力なのか?
全速力で走るなんて馬鹿はオヨシと脳が働くのか?
そんなことさえわからないけれど
もう全速力は出ないことは確かだった。

景色が流れるように
空気の流れを感じるように
そんな風にはもう走れない。

だけど考えりゃぁんなこと、そりゃあそうだ。
だったら小走りならできるのかってとこ。
そこんとこからして問題なんだから。


2011年7月21日木曜日

高齢犬の居場所


高齢になって少しでも快適に過ごして欲しいと思い、
今までの居場所ではない所に移動させてみると
思わぬ結果となることがあります。

暖房や、冷房を必要とする時期には
冷暖房の空気の流れや
その場所の温度を確認することが必要です。

それは例えば夏の暑い時期にお散歩に出かける時など
十分に気温を考慮して日が落ちてからにされると思いますが、
日が落ちてからでも、実際に道路にしゃがんでみると
アスファルトはまだ熱く呼吸そのものが辛いとか
手で触ってみて、パッドを火傷させるのではないかと
感じることもあります。

同じように、冷暖房を入れている時は
同じ位置に座り、どのように空気が動いているか、
実際の温度はどうかをみられた方が良いと思います。
高齢犬では尚更です。

こんな感じで確認をしていて、
ちょっと今までのこの場所より、
きっとあっちの方が居心地がいいはずと考えられた時に要注意です。

今までなら、通る時に声をかけたり、触れたりしたのに
ほんの僅か移動しただけで、
声はかけても、触れることが少なくなってしまったら、
そんなことだけで痴呆の症状が出てくることがあるのを
実際に見たこと、経験したことがあります。

逆のパターンのお話で言うと
耳も目も不自由になり始めたコをお預かりした時に
他のコに刺激を受けて、若々しくなったコもいます。
これはそんなに珍しいことではありません。

耳が遠くなってきたり、目が見えにくくなってきたりで
高齢犬はそれでなくても刺激を受ける機会が減ってきます。

嗅覚に頼っているコもいますが
やはり触れ合いが大切です。

心地良く過ごせる場所であっても
触れる機会が少なくなりはしないか?

よく考えてから決められることをオススメします。


2011年7月20日水曜日

蝉と そして私。


今朝、賑やかな蝉の声を聞きました。
脱け殻は目にしていたので
気付かなかっただけかもしれませんが
我が家の庭の蝉の声は今日が初ではないかと思います。

この風の強い日に。
この灰色の空の日に。
今日は台風が来るというのに。

深い青、輝く白い雲、強い日差しの下でなかった蝉たちは
こんなはずではなかったとがっかりしたのでしょうか。

生まれ出た強さの中では、そんなことは大した問題ではないのでしょうね、
きっと。

人間の私はそんなことを思いながら、

そして、
殻に閉じこもったまま抜け出せなかった蝉を地面で目にすると
心がしんとなって
せめて、できるだけ空に近い場所
できるだけ平和な木の葉陰にいて欲しいと切実に感じます。
昨年も同じ気持ちにはなったけれど
それでもどうしても触れなかったのに
今年は、そうせずにはおれません。

何だかそのぉ、妙な歳になっちゃったんじゃないかなと思います。


2011年7月13日水曜日

それでもやっぱり旅に出させて


旅に出なくても良い程度にならんもんかと
往生際の悪い私はジタバタバタンとなりながら
別の美容室へと行って来た。
「 短いですねぇ。 でも中途半端に長い部分を
切ってしまった方が扱いやすくなると思いますよ。
後は伸びるのを待ちましょう。 」
ということで、その中途半端に長い部分を
また切ってもらった。
幼い頃からずっと切らずにいた長い髪を
初めて切った小学生以来の短い髪だ。
小学生みたいでいて、おばあちゃんみたいな短い髪だ。


頭にへばりついた元気なタコみたいな私の髪は
イチゴのへたのようになった。


2011年7月12日火曜日

イメチェン失敗


イメチェンと言ったって、定かなイメージが
そもそも私にあるのかと言われると…
…ない。
イメージがないのにチェンジもないものだが
要するに失敗だということは定かである。
バッサリと切られ、床になす術もなく
散らばっていた私の髪を
あのようにな目に合わせるのではなかったのだ。

私以外にこの髪がどのような状態であっても
さほど気になる人はいないだろうし、

いつかは伸びるものだということは
わかってはいる。

それでも、私は旅に出たい。

2011年7月7日木曜日

似た者同士の犬と私。


出勤の車の中。
助手席の犬を見るといい笑顔だった。
いい笑顔なのに上瞼に蚊がとまっていた。
こんなに可愛い笑顔でいるうちのコに、
卑怯な場所を。
許さん!と思った。

場所が場所だけにバシッとも叩けないので、
飛ばせてからバシッとしてやろうと思っていたのに、
思えば飛ばせた余裕がもう負けを決めていた。
案の定バシッどころか、
離陸する飛行機を眺めるように
ただ見送っただけだった。

見送られた蚊はもう手の届く所にはいなかった。

見つめる犬に視線を戻し
「 笑ってるのはいいけど
蚊がとまっていたことに少しは気がつきませんでしたかっ?! 」

聞くしりから、私の上瞼は痒かった。

2011年7月6日水曜日

今日の犬と私の関係。


今日、送迎から店に戻ると
いつも助手席に乗っている犬が
今日はお留守番させられたのが気に入らなかったらしく
スタッフに聞いても、催促の声一つ出すことなく
大小ペアでトイレを済ませておられた。
自分の敷物の近くであり、
私の机の近くでもある場所で・・・。

私は 「 あっ 」 にもならない あっしか出なかった。

ソファーの長椅子の肘掛に片肘をのせ
横座りした両足はソファーの上
軽く手を重ねるようにしたかのような
雰囲気を醸し出しながら

帰った途端に小さくあっみたいなことしか言えなかった私に

「 あなたはどこに行っていたのかしら? 」
と犬は言った。

「 ごめんなさい。 すぐに掃除しますから。 」
と言う私に

「 そうね。 そうして頂きたいものだわ。 」
と犬は言った。

これはノンフィクションです。

                                                               

2011年7月5日火曜日

おばちゃんかな?


タイトルの おばちゃんかな? は従妹が私に聞いたのです。
何でも、電車に乗っていた時に隣りに座っていた若い女の子が
本格的にお化粧をしだし、
肘がしょっ中従妹に当たるのにも関わらず
全く気にもかけずにお化粧に没頭していたようで
従妹と反対側の座席を見ると十分なスペースが空いていて
当たらないように座る位置をずらすこともしないまま
何度も何度も突つかれるのに
とうとう我慢出来ずに言ったそうです

「 もう少しそちらに寄ってもらえませんか? 」 ではありません。
そんな言い方をするから、自分でおばちゃんかなと問うことになったのです。

一言 「 当たらんようにしいよ。 」 だったそうです。

びっくりするやらおかしいやらです。

「 言ったん? 」
「 うん、言った。」 ときっぱりです。
そして、「 だって限界超えたんやもん 」と言いました。
でも、自分がおばちゃんになっていたことがイヤなのでした。

「 おばちゃんやと思う? 」 とまた聞かれました。

否定して欲しいに違いなく、否定以外に何が彼女を救うのでしょう?
だから・・・
「 ううん、大阪のおばちゃんやったらこう言うよ。
おばちゃんの若い頃やったら、電車の中で化粧なんか考えられへんわ。
そんなみっともないこと、ほんとにもう・・・ってね 。」

従妹は 「そうよねぇ。」 と言いました。

「 今度また同じことがあったら、そんなみっともないこと…と言いながら
自分のバッグから、おにぎり出して食べるというのどう?」 と言ってしまいました。

良かった。
従妹も笑っていました。
うなずきながら笑っていました。
明日からバッグにおにぎりインかもしれません。

こんな場合、怒っていないにもかかわらず
「 アホ言いな! 」 って大阪のおばちゃんは
本気で怒ってるか怒ってないかわからない感じで言うんですよ。

従妹はまだ片足ともう一方の足首までしか
おばちゃんの領域に踏み込んでいないようです。

                                                              

供血犬


友人の家のコが緊急に輸血が必要になるという事態が
起こりました。
そのコは柴犬でした。
20kg程の体重がある6才未満のコが望ましい…となると…
本当に難しかったのです。
必死でした。
時間がありませんでした。

そして、バーニーズのバニラちゃんのお陰で
無事に輸血をすることができました。
シェパードのロンちゃんも次に控えてくれました。
京都からも駆けつけてくれました。

大切に思う気持ちは誰もが共通の思いであって
うちのコ、よそのコを分け隔てすることのない
犬を愛する人の心に触れることのできた
とても貴重な経験でした。

黒ラブのカームを想いました。
カームも輸血が必要になったコでした。
一度の輸血の後、次に適合するコが見付からず、
苦しい呼吸の中、亡くなってしまいました。
心の優しい、愛情に溢れた素晴らしい犬でした。
あんなに苦しい最期を迎えなければならないような犬では
決して、決してないのです。

こんな事態に直面した時に
助け合える体制をどうにかとれないものだろうか?
そんなことばかり考えていました。
何回もの輸血で容体が安定したコもいるのですから。

できないことではないと思います。
できないことではなかったのは今回実証されました。
小さな輪ではありますが、それでも助けることができるのです。
一度も会ったことのない犬ですが
そんなことは問題にされませんでした。
ただ助かって欲しいと願う、その心だけです。

遠くにいるコもその近くに誰かがいます。


「ここに今輸血が必要なコがいます。」

その情報さえ伝われば
きっと、そのコには大きな可能性が生まれるのではないでしょうか?

何市 何病院 何kg位の供血犬 緊急を要す!

情報網が必要だと思いませんか?