生まれて初めてチーズを食べた時
まるで石鹸のような味だと思った。
勿論、石鹸を食べたことなどはない。
本当です。
でも、おばあちゃんとお風呂に入ると
おばあちゃんは結構男前にガシガシ洗ってくれるので
その時に石鹸の泡が唇に乗っかり
自然と味わっていたから
石鹸の味を知っている気になっていて
本当にそっくりだと思っていた。
そして、何故だか石鹸の味のチーズを大人の食べ物として
無理して美味しいと言い、
そのうち、本当に大好きになった。
生まれて初めて食べたピザの味は
何にも似ていない初めての味がして
これもまた大人の味だった。
今、チーズを食べても
それはチーズの味で石鹸の味なんかしないし
チーズもピザも大人の味なんかしない。
そもそも大人の味と漠然と思うことさえ近頃はない。
それが残念で仕方がない。
かなりの大人年齢になればそうなってしまうのだろう。
大人になって加わったのは、
お上品なお味 というものだ。
私がいつかお上品になれば、
これも感じることのない味覚になるのだろうが
この私にそんな心配はなく
永遠の味覚となるに違いない。
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