2011年10月12日水曜日

味覚

生まれて初めてチーズを食べた時
まるで石鹸のような味だと思った。
勿論、石鹸を食べたことなどはない。
本当です。
でも、おばあちゃんとお風呂に入ると
おばあちゃんは結構男前にガシガシ洗ってくれるので
その時に石鹸の泡が唇に乗っかり
自然と味わっていたから
石鹸の味を知っている気になっていて
本当にそっくりだと思っていた。

そして、何故だか石鹸の味のチーズを大人の食べ物として
無理して美味しいと言い、
そのうち、本当に大好きになった。

生まれて初めて食べたピザの味は
何にも似ていない初めての味がして
これもまた大人の味だった。

今、チーズを食べても
それはチーズの味で石鹸の味なんかしないし
チーズもピザも大人の味なんかしない。

そもそも大人の味と漠然と思うことさえ近頃はない。
それが残念で仕方がない。
かなりの大人年齢になればそうなってしまうのだろう。

大人になって加わったのは、
お上品なお味 というものだ。

私がいつかお上品になれば、
これも感じることのない味覚になるのだろうが
この私にそんな心配はなく
永遠の味覚となるに違いない。

0 件のコメント:

コメントを投稿