2011年3月28日月曜日
題名は 豆ごはん
先日のこと、某店のハタハタとはためいていた豆ごはんの文字に誘われ、
そこで食事をすることにした。
私的には、どうかしたら豆ごはんだけでもいいくらいの意気込みであったものの
夜も遅いというだけでは無さそうなくらいに駐車場に入った途端に
なんともわびしい気持ちになった。
それは、お店の中のお客さんが醸し出したのかというくらいに
何故か1人だけで食事している中年齢よりやや上の男性が多く、
本当にわびしそうに見えた。
2人で入ったというだけで安堵しながら、
嬉しくて元気に豆ごはんを食べていた。
その時、私の斜め後ろあたりから、大きなしゃっくりが聞こえてきた。
しゃっくりが3度目あたりで、私は昔少女であったことの名残のように笑えてきた。
しかし、それもつかの間のこと。
しゃっくりは執拗で、元から充分に大きかったのに、
段々とそれはもうお店中に聞こえる位で、
どうかしたらトイレの中でも聞こえるに違いないレベルになっていた。
全く止める努力はされていないらしい。
丁度それとかぶるように、後ろのテーブルからも声が聞こえていて
それもまた、放っておけないレベルの話ぶりだった。
その場には珍しい女性の2人連れは、どうやら母と娘らしい。
娘 「 だから言ってるやん。明日、姉ちゃんに病院に電話して貰って薬がナンタラカンタラ 」
母 「 ・・・・・・・ (声が小さくて聞こえない) 」
娘 「 だから言ってるやん。明日姉ちゃんに(後は同じ) 」
母 「 ・・・(聞こえない) 」
娘 「 もういい加減にしてよ。何回言わせるの!だから明日姉ちゃんにぃ・・・ 」
母 「 」
これがずっと繰り返されていたのだ。
その辺りで、私は自分がお箸と豆ごはんのお茶碗を手に
その場で両足を大きく開いて立ち上がる世界に入っていた。
大阪弁満載のその世界で私は男らしく言っていた。
振り向かずに言う
「 ちょっとぉ。 何回も何回もって親に向かって大きな声出してるけど、
何も姉ちゃんに電話して貰わんでも、あんたが直接病院に電話したらいいんちゃうの?!! 」
先ずは下向きの顔から次いで半身斜め後ろにしてお箸を持つ手を伸ばして言う
「 それに、そこのおっちゃんもやっ!
いい加減、しゃっくり止めようって気にはなれへんか? 」
現実には、しゃっくりは大きなまま続いていて、
娘の方の怒りも沸点に到達してしまった。
とうとう娘は最大級に怒鳴った「 いい加減にしいやーっ !!!!! 」
そして、しゃっくりが止まった。
私は結局その喧噪の中、豆ごはんを食べていた。
日常の1コマみたいでそうではない
ちょっと笑えるのに悲しい映画の1場面みたいだと私は思った。
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