以前、我が家にいたシェルティーのボックは
雨が大嫌いだった。
正確には、雨によって濡れた所を歩くのが大嫌いで
雨の日に足が濡れてまで排泄なんぞ
やってられるかということらしい。
今いるデイーフなどは我慢も限界にくると
ブルブル震え出すので、すぐにわかるのだが
ボックの場合、そんなそぶりは露ほども見せない男だった。
だが、このボック
自分のオシッコを踏むことは全然平気でお構い無しだった。
自分の一部だと考えていたからこそできたのだと思う。
雨でがイヤなのだから、完璧さにくもりはない。
筋が通った男らしい犬と思うこともできたのだが
雨如きで足が濡れる何がイヤだへなちょこめとも感じたし、
言いもしてやった。
人間とは違う感覚は面白いものだ。
ある日、庭を自由にしてお留守番をしていた犬がいた。
突然の雨だった。
ひさしの下に入って濡れずにいることを
願いながら急いで帰ってみると
犬はひさしの下で長々と寝そべっていたらしい。
濡れずにいてくれて良かったと胸を撫で下ろしたのも束の間、
近付いてみると、
半身をひさしの外にして雨に打たせ放題で眠っていた。
その半身、上下ではなく背中側とお腹側の半身で
しかも濡れていたのは背中側だという。
面白い感覚だ。
いや、でももしかしたらこれは
自由を愛する心と人への忠誠心
もしくは義理堅さの現れなのかもしれない。
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