2012年5月26日土曜日

犬の感覚


以前、我が家にいたシェルティーのボックは
雨が大嫌いだった。
正確には、雨によって濡れた所を歩くのが大嫌いで
雨の日に足が濡れてまで排泄なんぞ
やってられるかということらしい。

今いるデイーフなどは我慢も限界にくると
ブルブル震え出すので、すぐにわかるのだが
ボックの場合、そんなそぶりは露ほども見せない男だった。

だが、このボック
自分のオシッコを踏むことは全然平気でお構い無しだった。
自分の一部だと考えていたからこそできたのだと思う。
雨でがイヤなのだから、完璧さにくもりはない。
筋が通った男らしい犬と思うこともできたのだが
雨如きで足が濡れる何がイヤだへなちょこめとも感じたし、
言いもしてやった。

人間とは違う感覚は面白いものだ。


ある日、庭を自由にしてお留守番をしていた犬がいた。
突然の雨だった。
ひさしの下に入って濡れずにいることを
願いながら急いで帰ってみると
犬はひさしの下で長々と寝そべっていたらしい。
濡れずにいてくれて良かったと胸を撫で下ろしたのも束の間、
近付いてみると、
半身をひさしの外にして雨に打たせ放題で眠っていた。
その半身、上下ではなく背中側とお腹側の半身で
しかも濡れていたのは背中側だという。

面白い感覚だ。

いや、でももしかしたらこれは
自由を愛する心と人への忠誠心
もしくは義理堅さの現れなのかもしれない。



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