とかく男のコは女のコのオシッコの匂いが気になるものらしい。
只今、お泊り中の男のコもその例外ではない。
数メートル先から、警察犬の追跡の如く捜査が開始される。
散歩に出ることの目的は一つではないのだ。
捜査の段階から、その執着ぶりは予想されるので
阻止する為に私も心してリードを持つ手に気合いを入れる。
大袈裟に言えばそのくらいに興味深さは頑固な力となるのだ。
昨日のお散歩の時だった。
前方に我が犬、ディーフが残した痕跡がある。
女のコだ。
それに比較的新しいものだ。
ここは早々に先を急がせようと考えていた私だった。
しかし、小指の先にリードをちょいと引っ掛けただけでも
十分なくらいの軽快な足どりにはわずかな乱れもないままに
ヒョイヒョイと鼻歌混じりで通り過ぎて行ったのだ。
あれは、通過点の印にすぎなかったというのか?
最後の一歩が、わずかに踏んだように見えたのが
最初可笑しくもあり、やがて切なくもあり…だった。
その後、またいで通られるよりは
まだ良かったんじゃないかとまで
思いいたった私だった。
なんで私が、自分を慰めなきゃいかんのだろ?
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