うちの犬には嫌いなものというか嫌いなことが多い。
中でも雨は苦手。
と言っても、本当は雨そのものではない。
ちょっと複雑というか、回り回って結局雨でなければいいのに・・・
といったところだ。
普段から、車に乗ることが普通だ。
そして雨の日も勿論、もれなく乗ることになる。
車が動く。
ほどなく停まる。
その瞬間に犬はイヤな気分になるらしい。
今でこそイヤな気分くらいで済むようになったが
最初の頃なんか、ほとんどパニック状態で車内をオタオタしていた。
停まることそのものがイヤでは無いのはわかっていたのだが
原因究明までには少し時間がかかった。
私の車だけかもしれないが
雨の日にはブレーキを踏む最初の時に
どこかで小さく小さくキュウッと音がするのだ。
こんなことが、ほんとこれしきのことがパニックの原因だ。
人間の耳には聞こえにくい程度のきしみの音の周波数は
犬笛に限りなく近いとしか思えなく
しかもガラスをキーッと引っ掻く音に近いのか
今から痛いことをされるその瞬間の悲鳴に近いのか
そこまではわからないものの
かなりいい線いってる表現であるはずだ。
このおかげで、説明の難しい、把握も難しいに違いない車の調整を
度々お願いすることになった。
音が犬の耳にも聞こえにくい程度にまでなったのだけれど
雨の加減で音の大きさやイヤな感じに聞こえるのが
違うらしい。
だけど雨が降るとイヤな気分という図式が出来上がり
雨の中で濡れるのはさほどイヤではないものの
気分はダークブルーな犬なのだ。
特にひどい音のする雨の日は犬は外に出たがらない。
その結果、トイレもかなり我慢している。
いつもなら激しい催促で外に連れて行ってくれ~というのだが
この日ばかりはとっても静かにしている。
行こうと誘っても、聞こえないふりまでする。
そして限界に近付いても
ひたすら我慢しようとしているのだが
その頃には誰の目にも我慢の限界がわかるようになる。
犬は我慢で小刻みに震え出している。
浮上する時の潜水艦みたく頭を上げて
寝てるふりすらできなくなっている。
誘うと、それでもようやくイヤイヤに
行ってもいいけど・・・って感じでついて来る。
こうなればドアを出た所が限界だ。
雨の日、濡れずに掃除できる私にも好都合だけれど・・・。
震えるほどの我慢は如何なものだろうか、キミ?
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