2011年8月21日日曜日

番犬


人間の求める番犬の要素ほど曖昧なものは無いと思う。

不審者は徹底的に拒否し、追い払って貰いたい。
変な気配を察知したら、即座に知らせること。

大筋ではこのようなことだけれど
不審者にしか見えない知人はいるものだし、
どうにかしたら家族だってそう見えなくない時だってある。
いや、どうにかしたら私がそうだ。
例えば、この間のように私の髪がヘタみたいになった時のように…。

結局は犬にどう見えるかは関係ないことになって
「 誰に言ってるのよっ 」 なんて言ってしまうのだ。

「 誰か来た! 」と知らせたところで
テレビで大笑いしていたり、
笑っていたはずが居眠りしていたり、
おせんべいのバリバリやお漬物のポリポリが耳に響いて
他には何にも聞こえなくて、
頑張って知らせているのにその甲斐も無い。
そのくせ、念の為に少し長く知らせてみれば
「 静かにしなさい 」だとか
「 うるさいよ 」と叱ることになったりする。

悪い人間には負けて欲しくないけど
それ以上に、絶対に怪我などして欲しくないから
変な手出しはして欲しくない。

第一、番犬っていうのでなくても
人に危害を加えるようなことは許されないし、
かと言って、誰かれ構わずヘロヘロして欲しくないし、
子供が奇声を発しようと、手荒なことをしようが
出来れば
我慢して欲しいとか思ってしまう。

本当に苦労が絶えないだろうし、
申し訳なく思う。

だけど、キミだ。
「 ちょっとぉ 変な音してない? 」と
揺すった時位は、目の一つも開けて
「 あぁ ホント。」くらいは
せめて、せめて言ってくれないだろうか?

起きてくれるだけでどんなに嬉しいか心強いか
ちっともわかってないだろう?

こんなだから、
最初の、[人間の求める]から始まり、[申し訳なく思う]に思いは至り
挙句、爆睡するグニャグニャの犬を肩に担ぎ上げて
一目散に裏から逃げるシュミレーションをする羽目になったのです。


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