2011年4月15日金曜日

ほらね。

                                                      私よりかなり早くに就寝になる犬は
私が熟睡モードに入ってから再び僅かながらも活動が始まる。
と言っても、人目を忍んでハタを織るわけはなく
一家の食を担って狩りをするわけもない。
本人としては、何か思うところもあるのだろうけど、
大した理由ではないのだと思う。

活動の最終段階に入ると、決まってお水を飲む。
必ず飲むと決まっている。
お水を省略することは絶対にできない。
飲み方も普段とはあきらかに変えている。
普段なら食器の縁に鼻をひっかけて静かに飲むのだが
夜中に飲む時は食器に鼻を突っ込んでバシャバシャと飲む。
飲むというより、要するにお水を極力滴らせたいのだと思う。
そうすればいよいよ最後の仕上げとなる。
ここのところで、今度は私無くしてフィナーレは無い。
私が大切な要素となっている。

普段はいたってテンション低めでいるくせに
この時の為に温存しているのだ。
口元の毛にお水を吸収し終えた犬は、
テンションギアをトップに入れる。

お水を滴らせ、水しぶきまで浴びせる勢いで顔を急接近させ、
私が大騒ぎして飛び起きたら、これで全てが終了する。

犬は線香花火が最後にポタッと落ちたみたいに静かになって
鼻息1つ残し、寝ることにする。

ほらね。
大した意味はない。


                                                               

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