2010年12月22日水曜日

はとうさん

                                                                                                                           
このお話は本当にあったお話です。
本当に本当です。
今振り返っても、私も不思議だと思うお話です。

おかしな鳩のお話です。


ある朝お店に着き、シャッターを開けようとして何気なく店の前を見ると
シャッターにひっつくようにして隅っこに1羽の鳩がいました。

鳩はうずくまって、じっとしていました。

開ける為に近付いても、じっとしたままで
一向に逃げようとはしませんでした。

試しに手を近付けましたが、やっぱり動くこともせずに
目をパチクリするだけでした。

これは具合が悪いのかなと思い、両手でそっとすくうようにしてみると
嫌がるでもなく、大人しく手にのりました。

どこかに怪我がないかと調べてみましたが、
どこにも怪我をした様子はありませんでした。

ただ、お腹をこわしていたのか、
ひどくお尻が汚れ、汚れがこびりついてふたになってしまっている位でした。

これでは、具合が悪くなっても仕方ありません。
お尻をきれいにし、検便などもしたりして
先生からお薬を貰いました。

鳥は飛ぶ為の筋肉がおちるといけないので
短期間で元気になって貰わないといけないのですが
何とか間に合って
元気に飛んで行くことができました。

それから、1年程経ちました。

そしてある日の朝、店に着くと、
また、シャッターの前に鳩がいたのです。

よく見ると、それは以前にいたのと同じ鳩でした。

羽にペンキみたいなもので小さく色が付いていたので
同じ鳩だとわかったのです。

「どうしたの? また下痢でもしましたか? 」 と冗談のように言い、
まさかと思いながらも見てみると
今度もまた本当に汚れでお尻がふさがっていました。

鳩をひなの時に育てたことはありません。
私は鳩には全く縁が無いのです。

でも1度ならず2度までも、こんなことがあるのでしょうか。

もしも1度目が、単なる偶然にしても
2度目は、ちゃんとわかって来たとしか思えないのです。

2度目と同じように1度目も素直に手の中にいましたから
本当を言うと、1度目だって偶然とは私には思えないのです。

お店は大きな道路に面していて、車の往来も激しいところです。
だから、決して目立たず、安全な所にいたわけではありません。

待っていた。
助けて貰おうと待っていた。
私はそう信じています。


それから3度目はありません。
きっと、お腹は丈夫になったのだと思っています。

2度目に来た時に、名前を付けました。

それが、はとうさんです。


そうそう、大切な後日談を忘れていました。

具合が悪くなっては来なかったのですが、
2度目から1ヶ月程して、
それから何度か、仲間を連れて来ることがありました。

目印のペンキを見つけ
やっぱり、はとうさんが連れてきたんだ。
と、思って
なんだか自然に笑顔になっていましたね。


はとうさんは、不思議だけど何だかとっても素敵なことが
あるってことを教えてくれました。

多分、これは私の中の大きな力になっています。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

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