2010年12月30日木曜日

携帯番号と最低2つ

                                                       迷い犬を保護しても、お家が見つかった例は数が少ないのです。
だから、私はよく憶えています。

雨の日に大通りの車道のど真ん中を嬉しそうに走っている犬がいて、
歩道に上がった瞬間に車から出て、しゃがんで手を叩き、
「 おいで! 」 って叫んでみたら
そのまままっしぐらに笑顔で突進してきました。
雨のずぶ濡れといろんな匂いのかたまりがぶつかって来た感じでした。

この突進に身構えていた瞬間に、
同じような状況で、私はこうして声をかけた後にしゃがんでいたことを
思い出していました。
あの時は今よりもっと、ぶつかって来る衝撃に身体全部で備えていました。
全速力でやって来るのは、そんなにまで長いかというくらいの舌を
走るのにあわせ、左右にビロンビロンさせながら、
その先からビヨンビヨンとよだれを振り回しているピレニーズだったのです。
丁度車の列が信号待ちで、身構えながらもギャラリーが多いのを意識しつつ
大き過ぎるし速過ぎる、私、無理かも・・・ と頭をよぎったのを憶えています。

このコは空港近くのコだったみたいで
放浪癖があったのか、通行の人にお家を聞くことができました。
お家の人は犬を見ても何のリアクションもなく、犬もお家の人を見ても
何のリアクションもなかったです。
おる種命がけだった私ですが、最悪の事態を考えると
意味ある保護だったのだと思います。
犬にとっても車にとっても、
そして人にとっても・・・。

このピレの第一発見者のスタッフが
突然目の前に現れたこのコに向かって言った言葉というのが、
そりゃぁ顔を上げたらピレですもん、仕方ないとは思いますが、
「 あんた誰? 」 
それが ふさわしいかは疑問です。
だけど言ってしまうのは私も同じです。

それで話は戻りますが、この雨の日のコは
警察に連絡もし、ご機嫌のうちにシャンプーが終わった位に
警察からお家の人が迎えに行かれますと電話が入りました。
入って来られた途端に、マンガのように1発ポカっと頭を叩かれ
それでも笑顔のまんま、連れて行かれました。
あれまっ て思うくらいのバイバイで笑顔だけが残っていました。

夜に保護したコは
帰られてからいないと気付かれたお家の方が
翌朝お迎えに来られました。
60代のお父さんらしき方でしたが
ただ黙って涙を流しながら抱いていらっしゃいました。

どのコもそうですが
私が保護した時には、連絡先のわかるものは
何も付けていませんでした。
とれた時の為に2つ位付けていた方がいいのかもしれないですね。

あっそうです。
しっかり付けていたコも保護しました。
だけど、お家の電話番号だけを付けていて、
全員探しに出られていたらしく、電話はつながりませんでした。
留守番電話にメッセージを残し、そのコと出会った場所で待っていると、
こちらに向かって来るわんちゃん連れの大勢の人達がいました。
お散歩仲間総動員の捜索隊でした。



今日のタイトル  携帯番号と最低2つ でした。


                                                       

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